ワンコなふりしてドSだなんて、どういうことですか!
 それから少し話をして、自分の病棟へと戻っていく露子の後ろ姿を見送った。
 少しだけ軽くなった心で、デスクの上に置いていたスマートフォンをなんとなく手に取った。すると案の定、通知を知らせるランプが光っている。

【お疲れ様です。ちゃんと眠れてますか?】

 九条先生からのメッセージだった。

 一週間近く音沙汰がなかったので、からかうのももう飽きたとばかり思っていたのに。

 画面を見つめ頬を膨らませていると、さらにメッセージがぽんぽんと送られてくる。

【もしかして、夜勤中ですか? 食事はしましたか? 心配です】

 なによ、と口を尖らせた。私が一番つらかったときになんのメッセージもくれなかったくせに。

 もちろん八つ当たりだ。彼はなにも悪くない。

【夜勤中です。食事はしましたし、今ココアを飲んだところです】

 九条先生は今頃あの素敵な自宅マンションにいるのかな。グレーのスウェットを履いて寛いでいる? そう聞いてみたいけれど、私と彼は恋人ではないのでやめておく。
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