キスするくせに、彼氏じゃない。
私は一つ離れた椅子を引いた。

 

瀬川くんが顔を上げる。

 

「ここ、いい?」

 

聞くと、彼は机に広げていたプリントを自分のほうへ寄せた。

 

「うん」

 

座る。

本を開く。

 

それだけのことに、少し緊張した。

 

*
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