キスするくせに、彼氏じゃない。
瀬川くんがこちらを見ていた。

 

「……うん」

 

私は開いているページを少し示した。

 

「すごく怒ってたのに、お腹が鳴ったら怒れなくなった」

「誰が?」

「お兄ちゃん」

 

彼は自分の本に指を挟んだ。

 

「腹減ると、そういうのどうでもよくなるのかもな」

 

私は先週の合同授業を思い出した。
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