キスするくせに、彼氏じゃない。
律の口元が、少し緩んでいる。

 

朝の仕返しだった。

 

「……わかってる」

 

返信を終え、スマートフォンをしまう。

 

彼が歩き出しかけたところで、私は呼び止めた。

 

「瀬川くん」

 

振り向いた彼を見て、急に言いにくくなる。

 

でも今言わなかったら、また用事を探してしまう気がした。
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