キスするくせに、彼氏じゃない。
昇降口には、瀬川くんがいた。

 

今日は、本を読んでいなかった。

靴箱の前でスマートフォンを見ていたけれど、私が近づくと画面を消した。

 

「遅かった」

 

その一言に、足が止まる。

 

待ち合わせはしていない。

それなのに、胸のあたりが少しだけくすぐったくなった。

 

「……待ってたの?」
< 154 / 756 >

この作品をシェア

pagetop