キスするくせに、彼氏じゃない。
「瀬川くんは」

 

口にしてから、少し迷う。

 

彼がこちらを向いた。

 

「話しかけていいのか、最初わからなかった」

 

正直に言うと、彼はわずかに眉を寄せた。

 

「今は?」

 

すぐに聞き返された。

 

私は鞄の持ち手を握る。

 

「……わからない」
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