キスするくせに、彼氏じゃない。
「猫に逃げられるし」

 

横で、小さく息を吐く音がした。

 

「まだ言う?」

 

その声には、少し笑いが混じっていた。

 

私はもう一度、彼の手首を見る。

細い傷は、朝より目立たなくなっていた。

 

学校で何と呼ばれているかより。

 

猫に触りたかったことや、本を読むと食事を忘れること。

そんなことを、もう少し知りたいと思った。
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