キスするくせに、彼氏じゃない。
顔を見ずに言った。

 

彼の足が止まる。

「昇降口、あっちだけど」

「わかってる」

 

思ったより冷たい声が出た。

 

訂正しようとしても、近くを通る人の視線が気になって言葉が出てこない。

私は鞄を肩にかけ直した。

 

「……一人で行けるから」

 

彼は黙って私を見た。
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