キスするくせに、彼氏じゃない。
家に帰ってからも、借りた本の感想を話した時間と、そのあとの廊下が、何度も頭の中でつながった。

 

袖を引いたのは、私だった。

 

思い出すたび、顔が熱くなる。

枕へ額を押しつけても、少しも冷めなかった。

 

スマートフォンが震えた。

 

慌てて起き上がる。

 

律からだった。

 

『膝、大丈夫?』
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