キスするくせに、彼氏じゃない。
また沈黙になる。

 

電車の到着を知らせる音が鳴った。

私は黄色い線の内側へ、もう少し下がった。

 

瀬川くんの手が、わずかに動く。

 

私が自分で下がったのを見て、そのまま鞄の持ち手へ戻った。

 

伸ばそうとしてくれたのかもしれない。

 

気づくと、余計に手の置き場がわからなくなった。

 

*
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