キスするくせに、彼氏じゃない。
それを用事と呼んでいいのかは、わからなかった。

 

「お前、最近ぼーっとしてるよな」

 

相原がパンの袋を開けた。

 

「寝不足?」

「違う」

 

律は箸を置いた。

 

今朝、隣で鞄の持ち手を何度も直していた指を思い出す。

 

嫌だったのかもしれない。

聞くまでは、本当にそう思っていた。

 

昨日は自分から近づいた。
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