キスするくせに、彼氏じゃない。
「勝手に触ると、怒られるから」

 

彼の手首へ目を向ける。

傷は、もうほとんどわからなかった。

 

「まだ言うんだ」

「覚えてるから」

 

猫は私たちをしばらく見てから、ベンチの奥へ丸くなった。

 

私は立ち上がった。

 

公園の脇道は、駅へ抜ける近道だった。

二人でそちらへ入る。

校門前より人が少なく、砂利を踏む音がよく聞こえた。
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