キスするくせに、彼氏じゃない。
隣の席から言われ、私は顔を上げた。

 

「うん」

 

立ち上がる。

その瞬間、椅子の背に指をかけた。

 

床が、少し遠い。

 

「……大丈夫?」

 

聞かれて、反射的にうなずいた。

 

「平気」

 

そう答えたのに、教科書を一冊、机へ置き損ねた。

 

*
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