キスするくせに、彼氏じゃない。
私は手すりから手を離した。

 

「ありがとうございます」

 

階段を下りる間、先輩はいつもよりゆっくり歩いた。

 

それがありがたいのに、なぜか昨日の帰り道を思い出した。

 

同じように歩幅を緩めていた、別の人を。

 

*
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