キスするくせに、彼氏じゃない。
声がかすれた。

先輩がペットボトルを示す。

 

「よかったら。いらなかったら持って帰って」

 

私は一度、飲み物を見た。

 

「……お金」

「いいよ、これくらい」

 

先輩は近くの丸椅子に座った。

私より少し低い位置から、顔をのぞく。

 

「白石さんって、何かしてもらうと、すぐ返さなきゃって顔するね」

 

私は手を止めた。

 

図星だった。

 

先輩は笑った。

 

「普通に、ありがと、でいいのに」

 

私はペットボトルを両手で持った。
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