キスするくせに、彼氏じゃない。
「全部わかるって意味なら、無理だろ」

 

返事があった。

私はペンのふたを外す。

 

「全部じゃなくても」

「どこまで?」

「……その人が、何を考えてるかとか」

 

律は自分のプリントを机の中央へ寄せた。

 

「今、何考えてるかわかる?」

 

私は彼の顔を見た。

まっすぐな眉。

眠そうではないのに、力の抜けた目元。
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