キスするくせに、彼氏じゃない。
彼が自分のペンを持った。

私の文字の下を指で示す。

 

「だから、聞く」

 

私はその言葉を書き足した。

 

外から見ただけではわからない。

だから、聞く。

 

ペン先を止める。

 

「聞いても、本当のこと言うとは限らないよ」

 

自分の声が、思ったより硬かった。

 

彼はすぐに返さなかった。

私は書いた文字の最後を、意味もなくなぞった。
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