キスするくせに、彼氏じゃない。
すぐ隣で、彼が片側を支える。

重さが半分になった。

 

「一人で持てるとは思うけど」

 

彼は箱を見たまま続けた。

 

「二人でも持てるから」

 

私は返す言葉を探した。

でも、うまく見つからなかった。

 

「……そっち、もう少し下げて」

「これくらい?」

「うん」

 

歩幅を合わせる。

箱が二人の間で揺れた。

 

私は誰かとこうして物を運ぶことさえ、ずいぶん久しぶりだった。

 

*
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