深海のカフェ冬銀河〜破滅ではなくマスターに堕ちてゆく〜
藍色だった世界が褐色へとマーブル状に変わっていく⋯。
目の前には一軒のカフェがあった。
アーチ状の窓から、柔らかな光が揺れているのがわかる。アンティーク調のレンガ造りの壁。木製の扉。
私は導かれるかのように、その扉を開けた。店名はどこかに書かれているはずだけど、特別、気にも留めなかった。
コーヒーの香りが店内を満たしていて。どこからか、お洒落で静かな音色。
カフェの天井から、真っ直ぐに細いコードが伸び、その先に柔らかな光が揺れるペンダントライトがある。
ガラスシェードが電球の光を包み込み、光の輪が虹を描くように広がっている。それはまるで、虹の橋に浮かぶ小さな星のようで。