深海のカフェ冬銀河〜破滅ではなくマスターに堕ちてゆく〜
ふと、窓の外を見ると、深海だったはずなのに、夜空のように星が煌めいている。まるで、深海の中にある冬銀河。
「綺麗。でもどうして星が?深く沈んでここへ来たはずなのに」
「あの星は、あなたを応援してくれている人の数なんですよ」
「ありえないです。私のことを応援してくれる人なんて、そんなにいない」
「あなたには、これから出会うはずの人たちが沢山います。その人たちが応援してくれるのです」
これから出会うはずの人。その中に私を応援してくれる人なんて、本当にいるのかな⋯。
「まだ、不安を抱えているようですね」
「私、ポジティブだけどネガティブなんです。分かりにくくて⋯、すみません」
「謝る必要はありません。ごゆっくり、どうぞ」
マスターは、そう言うと、棚から小説を手に取って、カウンターでページを捲りはじめた。
私は、コーヒーを飲みながら、モンブランをいただく。
マロンクリームに生クリームと白餡だろうか。ほんの少しだけ洋酒の香りがして、和と洋がお互いに良さを引き出し合っている。そして、見事なまでの調和。
今まで食べたモンブランの中で一番美味しかった。