傷心な私と幼なじみ御曹司の契約結婚~不眠治療のハズが、20年分の執着愛で甘やかされています~

2.俺以外の男に見せるのが惜しい

「とりあえず、細かい話は明日にしよう」
 寝室に案内された莉緒は、部屋の中央に鎮座する巨大なベッドに目を見開いた。
 さすがお金持ち……?
 これってキングサイズのベッドだよね。

「なんでも好きに使ってくれればいいから」
「これってホームシアター?」
 寝室に設置されたプロジェクターや音響設備は、インテリアデザイナーをしている莉緒でさえ実物を見ることがない高級品ばかり。
 
「待って、このブラインドって」
 窓に取り付けられているのは、海外製の最新型電動遮光ブラインド。
 照明も家具の素材感もよく見ると、すべてにおいて妥協がない。

「さすが莉緒。インテリアデザイナーは伊達じゃないな」
「すごい……私の『理想の寝室』そのものかも」
 色のトーンも配置も、驚くほど完全に自分の好みだ。

「ここのコーディネート、どこの会社にお願いしたの?」
「俺の好みだけれど?」
「えっ、自分で?」
 センスがよすぎる!
 本職の自分が負けるなんて。

「じゃ、俺はあと少し仕事があるから。おやすみ、莉緒」
「あっ、創くん。あの、……ありがとう」
 莉緒が素直にお礼を言うと、創は満足そうに口元を緩めた。
 
「莉緒が気に入ってくれたなら、作った甲斐があった」
「え……?」
「……なんでもない。ゆっくり休め」
 寝室に残された莉緒は、ふかふかのベッドに腰を下ろした。
 ふわりと漂う、創と同じ上質なコロンの香り。
 自分の理想をそのまま形にしたような完璧な部屋で、莉緒の胸は温もりでいっぱいになった。

    ◇

 やわらかい光が差し込むベッドの上で、莉緒はゆっくりと目を覚ました。
 見慣れない高い天井。
 肌を滑る滑らかなシルクのシーツ。
 そして身体を押し潰すような、重みに息が止まる。

「ん……?」
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