お隣さんの距離感がバグってます!
浴衣姿と、はぐれた手
「……うわ」
夏祭りの待ち合わせ場所である神社の鳥居前
人混みの中で私を見つけた瞬間、空は持っていたプラスチックのうちわを落としそうになりながら、完全にフリーズした
いつも学校で見せている、少し地味な委員長スタイルの制服姿じゃない
お兄ちゃんに「変な着崩し方はするな」と厳しく帯を締められた、紺地に白い向日葵が描かれた浴衣
髪も少しアップにして、慣れないうなじが夜風にさらされて少し気恥ずかしい
「……変、かな?」
「変なわけねぇだろ……。っていうか、可愛すぎて、他の奴らに見せたくねぇんだけど」
空はいつもの爽やかな笑顔をどこかに置き忘れたみたいに、耳まで真っ赤にしてそっぽを向いた
だけど、着慣れない下駄のせいで少し足元がふらついた私の手を、反射的にサッと支えてくれる