お隣さんの距離感がバグってます!
「ほら、危ねぇから。……はぐれんなよ」


空の大きな手が、私の手を包み込む


学校の『普通の幼馴染』としての境界線なんて、このお祭りの熱気の中では簡単に溶けていってしまうみたいだった


屋台の明かりに照らされながら、綿菓子を食べたり、型抜きにムキになったり


空と過ごす時間は、いつも『黒曜の天才参謀』として冷徹に数字やデータを睨みつけている私の心を、ただの17歳の女の子に戻してくれた


空の隣にいると、本当に心地いい


だけど、お祭りの混雑は夜が更けるにつれて激しくなっていく


ドォン、と遠くで花火が上がる大きな音が響いた瞬間、ドッと人の波が押し寄せてきた


「あ、きゃっ……!」


「鈴音!」


強い力で人に押され、繋いでいた空の手が、するりと指先から離れてしまう


一瞬にして、空の姿が人混みの向こうへと消えてしまった


「空! 空、どこ……!?」


浴衣のせいでうまく走れず、人混みの中で立ち尽くす


携帯を取り出そうと巾着を探った、その時
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