お隣さんの距離感がバグってます!
クリスマスに大きな決意をしてから、年が明け、季節は2月のバレンタインデーを迎えていた
私はお兄ちゃんの取り計らいで、本当に『黒曜』の天才参謀の座を降りていた
敵対組織のデータを見ることも、冷徹な作戦を組み立てることも、もうしない
今の私は、ただの地味で真面目な、どこにでもいる学級委員長の一ノ瀬鈴音だ
学校の隣の席では、空との冷たい距離はまだ縮まっていなかったけれど、今の私のスクールバッグの中には、夕べ一晩中かけて一生懸命作った、小さな手作りチョコの箱が入っていた
「行ってらっしゃい、鈴音ちゃん」
放課後、荷物をまとめていると、生徒会室からわざわざ私の教室の前まで降りてきてくれた澪さんが、優しく私の背中を押してくれた
その隣には、少し寂しそうに、だけど愛おしそうに私を見つめる颯太さんの姿もあった
「鈴音ちゃん、もしあの小僧がチョコを受け取らなかったら、俺が今度こそ本当に夜の街に――」
「颯太、もうよせ。鈴音は黒曜を降りて、自分の足で歩くことを決めたんだ。俺たちの過保護は、もうあいつの邪魔にしかならない」
お兄ちゃんが颯太の肩を掴んで制し、メガネをクイッと上げて私を見た
他のメンバーには崩さない冷徹な敬語ではなく、私にだけ向ける優しいタメ口
私はお兄ちゃんの取り計らいで、本当に『黒曜』の天才参謀の座を降りていた
敵対組織のデータを見ることも、冷徹な作戦を組み立てることも、もうしない
今の私は、ただの地味で真面目な、どこにでもいる学級委員長の一ノ瀬鈴音だ
学校の隣の席では、空との冷たい距離はまだ縮まっていなかったけれど、今の私のスクールバッグの中には、夕べ一晩中かけて一生懸命作った、小さな手作りチョコの箱が入っていた
「行ってらっしゃい、鈴音ちゃん」
放課後、荷物をまとめていると、生徒会室からわざわざ私の教室の前まで降りてきてくれた澪さんが、優しく私の背中を押してくれた
その隣には、少し寂しそうに、だけど愛おしそうに私を見つめる颯太さんの姿もあった
「鈴音ちゃん、もしあの小僧がチョコを受け取らなかったら、俺が今度こそ本当に夜の街に――」
「颯太、もうよせ。鈴音は黒曜を降りて、自分の足で歩くことを決めたんだ。俺たちの過保護は、もうあいつの邪魔にしかならない」
お兄ちゃんが颯太の肩を掴んで制し、メガネをクイッと上げて私を見た
他のメンバーには崩さない冷徹な敬語ではなく、私にだけ向ける優しいタメ口