窓のない窓際
 
「でも……やっぱりちょっと寂しいかも」


水上が眉を下げてヘヘッと笑う。


「宮本くんの顔……見てみたい、な」


寂しそうに笑う水上。


その笑顔があまりに痛々しくて、俺は言葉を失った。


ワンテンポ遅れて口を開いた。


「……見たら……多分惚れるぜ……?」


水上は「じゃあ見えないから惚れないかな」って言って笑った。


自虐的な微笑み。


直視出来ない。


「水上、今日一緒に帰ろうぜ」


彼氏いるって分かってるけど……。


でも……。


こんな痛い笑顔、見てられねえよ。


俺がいっぱい笑わせてやるから……俺がいっぱい元気にしてやるから……。


「一緒帰ろ。
ちゃんと送るから」

「……」

「ダメ?」

「……ううん、いいよ」


水上が小さく頷いたのを俺は見逃さなかった。


 
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