青い空の下で
「あの・・・・・」
私は,毎朝の日課になっている
飼い犬のゴールデンレトリバーの散歩の道すがら,声をかけられた。
犬好きの人は,よく散歩をしていると声をかけてくる。私はそんな煩雑なことから逃れるために,いつも帽子を目深にかぶり,耳にはイヤホンをつけて,そういう声をかけてくる人に虚勢を張っていた。
「あの・・・」と,
その男は,私の肩をいきなりたたいてきた。
私は驚いて振り返ると,
そこにはわたしより身長が20センチほども高い男の人が犬を連れて立っていた。
耳からイヤホンをはずすと,
「何か・・・」と
私は不機嫌さを前面に押し出して,声をだした。
「あの犬ちゃんの名前は,なんと言うのですか?」
その男は申し訳なさそうに私をみて,モモの目の前に座ると,いきなり撫でた。
「いい毛並みをしてますね。何か手入れでも・・・」
その男は,こちらのことなんかお構いなしに声をかけてくる。
「一緒に散歩しませんか。一人だと,少々物足りなくて・・・」
と一方的に話して来る男を,私は少しものめずらしく感じて,すこしばかり付き合ってみようと,ふと,変な興味がわいてきた。
「ええ,いいわ。ご一緒しましょう。うちの犬はモモです。手入れなんて何もしてません。」
そう答えると,
私は,見知らぬ男と足並をそろえて歩き始めた。
海岸沿いのバイパス横の防風林の歩道を歩いて,城ヶ浜まで一緒に歩いた。
その男は,
ジーンズにTシャツといういでたちで,
長身だがひょろひょろはしていなく,
筋肉質の体つきをしているようだった。
そんな身体に似合わず,
散歩させている犬は豆芝で,
長い足元によくまとわりついて,
彼がその犬を踏まないように,
きょろきょろしながら歩く姿に,
私は思わず小さく笑ってしまった。
私は,毎朝の日課になっている
飼い犬のゴールデンレトリバーの散歩の道すがら,声をかけられた。
犬好きの人は,よく散歩をしていると声をかけてくる。私はそんな煩雑なことから逃れるために,いつも帽子を目深にかぶり,耳にはイヤホンをつけて,そういう声をかけてくる人に虚勢を張っていた。
「あの・・・」と,
その男は,私の肩をいきなりたたいてきた。
私は驚いて振り返ると,
そこにはわたしより身長が20センチほども高い男の人が犬を連れて立っていた。
耳からイヤホンをはずすと,
「何か・・・」と
私は不機嫌さを前面に押し出して,声をだした。
「あの犬ちゃんの名前は,なんと言うのですか?」
その男は申し訳なさそうに私をみて,モモの目の前に座ると,いきなり撫でた。
「いい毛並みをしてますね。何か手入れでも・・・」
その男は,こちらのことなんかお構いなしに声をかけてくる。
「一緒に散歩しませんか。一人だと,少々物足りなくて・・・」
と一方的に話して来る男を,私は少しものめずらしく感じて,すこしばかり付き合ってみようと,ふと,変な興味がわいてきた。
「ええ,いいわ。ご一緒しましょう。うちの犬はモモです。手入れなんて何もしてません。」
そう答えると,
私は,見知らぬ男と足並をそろえて歩き始めた。
海岸沿いのバイパス横の防風林の歩道を歩いて,城ヶ浜まで一緒に歩いた。
その男は,
ジーンズにTシャツといういでたちで,
長身だがひょろひょろはしていなく,
筋肉質の体つきをしているようだった。
そんな身体に似合わず,
散歩させている犬は豆芝で,
長い足元によくまとわりついて,
彼がその犬を踏まないように,
きょろきょろしながら歩く姿に,
私は思わず小さく笑ってしまった。