青い空の下で
「おい。おーーーい。
 倫子,聞いてるか?」

耳元に響く渉の声で,
ふと我に返った私は,

「分かったわ。参加するから・・・・」

と答えた。

「あと,譜面をパソコンに送っておいて。」

「それで,リハなんだけど・・・」

と言葉を続ける渉の声を無視して,
私は一方的に電話を切った。

渉のことだから,
きっといろんなことは
メールに書いてくるはず。

私をそう思うと,
パソコンを立ち上げた。

メールが送られてくるまでの時間,

私は,一つのフォルダを開いた。

そして一つのファイルを印刷にかけた。

「kiss in the rain 」

私はプリンターが打ち出した譜面を手にピアノに座った。

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