青い空の下で
第17話
私は,荷物を手にすると,楽屋口のドアを開けた。
ステージ上ではアンコールにこたえて,真人と渉がセッションを続けていた。
大好きな真人のギターの響きを背にしながら,そのまま夜の街へ足を踏み出した。
もう二度と出会ってはいけない二人。
もう二度と愛し合ってはいけない二人。
お互い十分理解できる大人になったよね。
何も守るもののなかった若い頃の二人じゃない。
会うことのなかった10年間の月日は,ただ時間が流れただけじゃなく
そこには捨てられないものもたくさん身につけたことを意味するんだから。
私の心をいっぱいにしている真人への想いをどうにか理性で抑えて
歩き出した。
天文館のネオンが必要以上に瞬いているような気がした。
その眩しさのなかで,たった一人歩いている私は
10年前の同じ,心をどこかに捨ててこなければ生きていけない,
そんな思いがこみ上げてきた。
もうほろ酔い加減になっている中年やナンパしてくる若者を
適当にあしらいながら,そんなに物欲しそうにみえる自分に嫌気がさしていた。
ホテルへの道へ進もうと裏道に入った時だった。
ステージ上ではアンコールにこたえて,真人と渉がセッションを続けていた。
大好きな真人のギターの響きを背にしながら,そのまま夜の街へ足を踏み出した。
もう二度と出会ってはいけない二人。
もう二度と愛し合ってはいけない二人。
お互い十分理解できる大人になったよね。
何も守るもののなかった若い頃の二人じゃない。
会うことのなかった10年間の月日は,ただ時間が流れただけじゃなく
そこには捨てられないものもたくさん身につけたことを意味するんだから。
私の心をいっぱいにしている真人への想いをどうにか理性で抑えて
歩き出した。
天文館のネオンが必要以上に瞬いているような気がした。
その眩しさのなかで,たった一人歩いている私は
10年前の同じ,心をどこかに捨ててこなければ生きていけない,
そんな思いがこみ上げてきた。
もうほろ酔い加減になっている中年やナンパしてくる若者を
適当にあしらいながら,そんなに物欲しそうにみえる自分に嫌気がさしていた。
ホテルへの道へ進もうと裏道に入った時だった。