お隣さんの恋愛事情
「ちょっ、ここ私の部屋かどうか…」
言いかけた瞬間、何故か芸人男の顔がドアップ。何がどうなってこの男の顔が目の前にあるんだろう。
ん?
何か口に違和感…
「ギャ――――――ッッッ!!!」
よくよく見てみれば。
「何すんのよ変態!!!」
いきなりチューされていた。
チューだけでそんな驚くなとお思いでしょうが皆さん。
私、初体験どころか、チューさえしたことなかったんですよ!!!
て言うことはね?
ね?
「わわわわわ私のファーストキス返せ!!!!」
私の大声に耳を塞いだまま、目を丸くしている芸人クソ男の顔を、思いっきり殴ってやりました。
「ファーストキス?!」
「そうよ!私のファーストキス!返して!!!」
「いや、返せって言われても。 つーか年いくつだっけ?24って言ったっけ?」
「そうよ!」
「その年になってもまだチューもしたことなかったんだ? じゃ、それ以上もないってこと?」
「悪い?!」
「悪くはないけど…何か笑える。」
クソ男はお腹を抱えて笑い出した。私は吐き気も何処かにぶっ飛んで、悔しさやら悲しさやらで泣きたくなった。酔いも完全に冷めて、でも頭は痛くて、本当に本当に最悪だ。