お隣さんの恋愛事情



「ちょっ、ここ私の部屋かどうか…」



言いかけた瞬間、何故か芸人男の顔がドアップ。何がどうなってこの男の顔が目の前にあるんだろう。


ん?

何か口に違和感…




「ギャ――――――ッッッ!!!」



よくよく見てみれば。


「何すんのよ変態!!!」



いきなりチューされていた。

チューだけでそんな驚くなとお思いでしょうが皆さん。

私、初体験どころか、チューさえしたことなかったんですよ!!!
て言うことはね?
ね?





「わわわわわ私のファーストキス返せ!!!!」



私の大声に耳を塞いだまま、目を丸くしている芸人クソ男の顔を、思いっきり殴ってやりました。



「ファーストキス?!」



「そうよ!私のファーストキス!返して!!!」



「いや、返せって言われても。 つーか年いくつだっけ?24って言ったっけ?」



「そうよ!」



「その年になってもまだチューもしたことなかったんだ? じゃ、それ以上もないってこと?」


「悪い?!」



「悪くはないけど…何か笑える。」



クソ男はお腹を抱えて笑い出した。私は吐き気も何処かにぶっ飛んで、悔しさやら悲しさやらで泣きたくなった。酔いも完全に冷めて、でも頭は痛くて、本当に本当に最悪だ。



< 19 / 121 >

この作品をシェア

pagetop