ハクバの王子

桜の雨

真っ直ぐ一本道の桜並木。


サーーッ………

風が花びらを
舞い上がらせる。




その神秘的な光景に、思わず駆ける足を止めた。



「わーっ、キレイ…」


まるでアメみたいな桜。



視界が桜の花びらで霞む。


すると、遠くにぼんやりと人影が見えた。



同じ学校の制服を着た男の子

ポケットに両手を突っ込んで

こっちを真っ直ぐ見ていた。





一瞬、ふたりの時間が止まったみたいに
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