ハクバの王子

学校

「ヒナコー、なぁーんで先いっちゃうのさ!私たちの高校生デビューの第一歩を一緒に踏み込もうと思ってたのにさぁ」

「なにそれ!(笑)大袈裟だよ、ユキ。ってか、ちゃんと高校生デビューの道、歩んでるじゃん!私たち。ほら見て」

私は、クラス表を指差した。


「うっそ!うちらまた同じクラス!?信じらんない!マジでー!」

「奇跡だよ!まさにキセキ!」


私たちは、抱き合って喜んだ。



「えっ、なになに~?またクラス同じなわけ?すげぇな、お前ら。で、オレは?もちろん一緒だろ?」






………




「ないっ……オレだけ違う…オレだけ…オレダケ」


「私たちの絆には叶わないってことだよ。ユウヤ!はははは」



ユキは、腰に手を当てて豪快にわざとらしく高笑いする。


「服部君2組でしょ?私たち3組だから、隣りだよ。すぐ会えるじゃん。」



で、いつもの私のフォローが入る。


「ヒナコちゃ~ん…そう言ってくれるのはヒナコちゃんだけだよ…ウウッ」
「ユキもヒナコちゃんみたいなこと言えよな~可愛くねーの」


そういって、ふくれっ面を見せる。



「うっさい!行こっ、ヒナコ」

「う…うん」


ホントは一緒のクラスになりたかったくせに

正直に言えばいいのに。


でもそこがユキなんだよね。



「おっ、おい!待てよ!ユキー!」



私は、ユキの手に引かれながら思った。


このふたり、ホントお似合い。

こういうの見ちゃうと

居場所がないって

すごく感じるよ。

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