奴のとなり
ここは秘密基地か?
今日は秘密基地づいてるな。
この時、
もっとマイナスな想像もできたはずなのに、
あたしはプラスな想像しかできなかった。
こういうとき、
この単純明快なお頭は扱いやすくていい。
奴はドアノブを回すと、
躊躇うことなく家の中へと入っていった。
あたしもワクワクしながら付いて行く。
中はどうなっているのか、
それしか頭には無かった。
中は案外普通、
というよりは綺麗。
しかも家じゃなく、喫茶店だ。
カウンターにはおじさんが立っていて、
グラスを磨いている。