奴のとなり
何されるにしても、お金ってもんが必要なんじゃ・・・。
あたしさっき服で使っちゃってもう無いよ・・・。
途方に暮れてると、いつの間にかサツキさんの顔が目の前に会って、にんまりと笑ってる。
「お金ならいらないわよー。一応あたしの練習に付き合ってもらうってことにしてるからねー」
って考えてることを読まれてた。
ナナミさんといい、サツキさんといい、あたしは考えがやっぱり顔に出やすいのかもしれない。
サツキさんはくるくると優雅に動いて道具を集め、あたしをいろんな角度で見ていた。
何だか綺麗な人にじっくり見られるって恥ずかしい。
頬を赤らめてると、
「照れる桜ちゃんも可愛いのねー」
って声が後ろから聴こえた。
「こんなに可愛いんだったら女の子でもいいわよ、あたし」
って意味深な言葉と一緒に。