奴のとなり
その時、桜は綺麗なお姉さんこと綾子さんと一緒に紅茶を用意していた。
「皐月に変なことされてなぁい?」
「変なこと!?無いですよっ!お姉さんが出来たみたいで嬉しいです!」
「オネエさんには違いないけど・・・。まぁ、いいわ」
「綾子さんも、お姉さんです!」
「あらっ、嬉しい!!何かあったら、遠慮せずに言ってね。私は桜ちゃんの味方だから」
「はいっ」
あたしには血の繋がらないお姉さんが2人も出来た。
さっきまでの微妙に重たい気分はどこかに飛んで行き、あたしは明るい気分で彼らの元に戻った。
でも、すぐに顔は強張る。
・・・、さっきよりも重たくなってる。
奴はあたしの姿を視界に捉えると、立ち上がり腕を掴む。