奴のとなり



そこにはずらりと目にしたことのないメニューが並んでいる



"姫たちの午後の戯れ"



"秘密の花園"



"妖精の昼寝"



全く何なのか想像すらさせてもらえないメニュー名に目を白黒させる



桃矢くんは絶句状態で、呆然としていた



辛うじて、メニューの大ジャンルが上に表記されていて、初めて飲み物名だったのだと感心していた



「わたしは〜、魔女のお茶会ね」



「あたし…妖精の昼寝と女王様の愉しみでお願いします」



「おい、お前まで乗るな」



似合わないとわかっていても、桃矢くんがファンシーな言葉を言うのを聞いてみたい



ちょっとした願望がでちゃった



あたしと皐月さんは顔を見合わせて笑うと、店員さんを呼びつける



奥からかわいらしい声で返答が聞こえてきた












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