奴のとなり



奴は大人しく従うと、すやすやと眠り始めた。



また一人になったあたしは、奴の顔を観察する。



長い睫毛、綺麗な顔。



髪の毛はサラサラ。



自分の髪を摘み、奴のと比較する。



あたしも髪には自信がある。



胸まである長い髪は深い栗色。



いくら染めても枝毛一つ出来ない自慢の髪だ。



ベッドの上に放り出したように置かれた手は、
細い体なのに大きい。



やっぱり男の子なんだと改めて実感した。









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