奴のとなり



いろいろ観察していると、
ドアが開くのを感じる。



振り返ると、
ケイちゃんが入ってきて、
一樹桃矢の顔を見下ろしている。



嬉しそうに、呆れたように笑うと、
「マジで来たんか」
と誰に話しかけるでもなく言葉を落とす。



「どういう意味?」



「そのまんまの意味や」



深く聞くのは止めた。



あたしはこの二人に何が?
と聞くことに疲れていたから。



聞いても運がよければ話してもらえるけど、
大抵は聞くことは出来ないから。










< 69 / 555 >

この作品をシェア

pagetop