奴のとなり



ケイちゃんはどかっと椅子に座ると、
回転し始めた。



「一樹桃矢ね、なんか変なの」



「・・・」



ぐるぐる



「真面目でもないくせ、
熱があるのに学校に無理して来ちゃったりさ
かと思いきや、保健室に直行で寝ちゃうし」



「・・・」



ぐるぐるぐる



「意味分からないでしょ?」



「・・・」



ぐるぐるぐるぐる



「聞いてる?」



「おぇ」



勢いよく回転していたケイちゃんは、
蒼い顔して回転を止める。



手で口を押さえながら、
屈み込むと視線だけをあたしに向ける。









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