林檎と、キスと。
「オレの、勘違いだった…ってこと?」
ずっと頬杖をついていた彼。
突然、両手で頭をガシガシと掻いたあと、そのまま頭を抱え込んでしまった。
「……え?」
なんのことだかさっぱりわからずに、わたしはフォークの柄を握りしめ、そんな彼の姿をただ見つめていた。
「おまえはずっと、オレのこと…。オレに、……気があるんだとばっかり…」
「ひぇっ!?」
すっとん狂な声を出してしまったわたし。
うなだれるように下を向いていた彼が、ゆっくりと顔を上げた。
バチッと、わたしと彼の視線がぶつかる。
心臓はドクドクと激しく脈を打ちはじめ、
「な、なんで…」
言葉の通り過ぎた唇が、小さく震える。
“なんで、そう思ったの?”