林檎と、キスと。
クラクラと、めまいをおこしそうなほどの緊張を吹きとばすかのように、細く、長く、息を吐き出す。
そして、ずっと口にすることができなかった言葉を、わたしはもう一度、彼の目を真っすぐに見つめ、言った。
「……好き」
彼は、フッと照れ笑いしたあとで、
「オレも。…すっげぇ、好き」
優しい目でわたしを見つめる。
ドキドキ、ジワジワ、ポカポカ。
いろんな感情がわたしの中を駆けめぐる。
自然と溢れ、流れ出す涙を止めることができなくて、わたしはそれをごまかすかのように、フォークに刺さったままのりんごをほおばった。
もう、友だちじゃなくていいんだよね?
わたしたち…。
泣きながら、あまいりんごを味わうように、しあわせを噛みしめていた。