僕たちは回り続ける
「ねえ駿君」
ひらひらと宙を舞っていた手をしまって理生は尋ねた。
「何だ村田」
ぶっきらぼうに駿。二人して窓のほうへと寄るとあいていた席に腰かけた。
「約束の君って知ってる?」
「中岡のか?」
「そうそう」
「知ってるが、何かあんのか?」
んー、と理生は間延びした声を出して駿を見た。
「あたし、駿君だとばかり思ってたけど、違うのかな」
「俺もそう思ってたが、兄貴かもしれねぇ。病弱だし……何より中岡が異様にかまってる」
二人で昼休みで消えてから掃除の時間さえもそばにいてしまいにはトイレの付添までしている。
中には入らないが出てきた男子がギョッとしていたのを覚えている。当たり前だ。男子トイレ待ちを女子がしていたらおかしい。
「駿君は、はっきりわからないの?」
「俺、記憶喪失」