僕たちは回り続ける
「ふぅん」


理生はあまり興味がわかないのかさらりとそれを流した。


「いいんだけどね、あたし駿君好きだし」

「俺には静香がいる」


そういえば、今日は静香に合っていない。昨日の態度がおかしかったのが気になるがい分から首を突っ込む気には理生はなれなかった。

せっかく駿と二人きりでいられるのだ。もったいない。ライバルにわざわざ華を添えてやる気にもなれない。


「婚約者でしょ?駿君の気持ちはどうなの」

「俺は誰も好きじゃない」

「ならあきらめる必要はないんと思うわ」

「俺にはアイツ以外兄弟はいない。だから必然的に俺が後継ぎになる。おまえは
小野瀬を継げるか覚悟はあるのか?」

吸い込まれるかと思った。それぐらいに目力が強かった。うんともすんとも言わせない何かがあった。


「…………」

「静香はもともとお譲さまとして育てられたから、負担もそうないだろう。だから、俺は静かで十分だ。俺は記憶がない分、すべて初めからだからつらさはわかる。最初は反発もしたけどな」

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