僕たちは回り続ける


「書類審査合格したよー!」


学校の帰りに理生の家に寄らされて、その場でそう伝えられた。そんな昨日の今日で、と突っ込みたいが澪が合格ハンコの付いた履歴書を差し出すのだからそうなのだろう。

二人ではしゃぎながら当日のことを騒いでいる。梓は呆れつつも最終選考まで残れるのかを不安に思っていた。

まさか水着審査でもあれば一発でばれてしまう。トップレス状態なんて嫌だ。さらしだって限度がある。

この状況下で断るという考えは無理だ。駿とジルの関係も気になるのは事実だ
し……。


「で、本番はいつ?」

「日曜日」


澪は説明書を見ながら答える。ふんふんとうなずきながら紙をめくる。


「何するの?審査基準は?」


あまりに長引くのなら途中で正体がばれるかもしれない。そもそも、採用されても困る。


「やっぱ見た目じゃないかしら」
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