僕たちは回り続ける


「身長私160もないんだけど」


正確には159センチ。女子としては小さくもなく大きくもない極〃普通のサイズだ。男子モデルといえば、最低でも170はいるんじゃないか。


「受かることが目的じゃないじゃない。ジルに会うんでしょ?」

「あー……そうだ」

「まあ、スカウトが大半だから、応募なんてのは建前ね。大抵はもう既に決まってるわ」

「そう……」


そんな事はどうでもいい。どうやってジルと会話に持ち込むかだとか、そちらのほうが大事だ。


「それよりも土曜日、空いてる?」

「ん?空いてるよー?」


梓は外出のことを理生に話した。理生ははしゃいで駿に連絡を入れた。静香には黙っておくべきか迷ったようだがライバルなんだからフェアじゃないと、と自分から連絡していた。

理生は案外真面目である。学校の成績も悪くない。ただ、外見は割と派手で先生に目をつけられることもしばしばだが。……静香は、言わずともかな。


「どこ行く?」

「義則さんでもバテない場所」
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