実の弟に恋をしました。



──いつの間に眠ってしまったんだろう。



目が覚めると、あたしはベッドの上に居た。


そういえば…

いつだったか、同じようなことがあった気がする。


あの時も、確か陸が運んでくれたんだよね。

懐かしさに、思わず頬が緩む。



……あぁ、でも。

あの時と確実に違うのは、もう以前のようなカンケイでは無いということ。


けれど。

あたしたちの犯した罪の重大さに、いまいち実感が湧かないんだ。


あたしたちは、確かに血の繋がった姉と弟だよ?


でも、それ以前に、あたしたちは女と男の関係でもある──。


血の繋がりを超えて抱いてしまった愛情。恋心。


それは紛れもない真実なんだ。



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