実の弟に恋をしました。
「…なんか、すげー恥ずかしいんだけど」
頬を紅潮させながら、陸が呟く。
「えー、そう?」
あたしは嬉しいけどな。
普段、限られた場所でしか陸に触れることが出来ないから。
こうゆう小さなひとときが、本当に幸せなんだ。
「さすがに手は繋げないしね」
「…そうだな」
本当は、繋ぎたい。
直に、大好きな人に触れたい。
だけど、今のあたしたちには許されないことだから。
だから、今だけ…。
家に着くまでのほんの少しの距離だけでいいから、ささやかな幸せを感じさせてください…。
……だけど。
次の瞬間、あたしは袋を手離さずにはいられなかった。
「…真弥ちゃんに、りっくん?」