実の弟に恋をしました。
──パタン。
あれからどのくらい経っただろう。
玄関の開く音に、あたしはハッと我に返った。
気づけば、窓の外は真っ暗だ。
…やだ。
あたし、寝ちゃってたんだ…。
ここ最近、ずっと寝不足だったからかな…。
って、そんなこと考えてる場合じゃない。
あたしは慌てて体を起こすと、玄関へと走った。
「……陸っ!」
「…ただいま」
ギュウッと抱きついたあたしを、優しく包み込む陸。
「……真弥、体、冷たい。ずっと待ってた?」
「遅いよ、陸っ……」
堪えていたはずの涙が、いっきに溢れてくる。
泣かないって決めたはずなのに。