実の弟に恋をしました。



「…なんで…こんなことするんだよ」


怒りでわなわな震える手を、必死で静めた。


仮にも梓は女だ。


「…なんでって?前に言ったでしょ。ムカつくから。ただそれだけよ」


「……」


しれっとした態度で言い切る梓。

その瞳は、俺の知っている昔の梓では無かった。




「…でも、まさか両思いだったなんてね。さすがに引くわ」


「……」


「こんなこと、りっくんのパパやママが知ったらどう思うかなぁ?」



まるで俺を挑発するかのように、高笑いを浮かべる。


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