恋はミラクル 『雪だるまと花屋のおじさんの小さな恋』
第五章 ディスクトップ
俺のデスクのパソコンの画面に雪だるまの写真を貼り付けた。
水族館に行ったさい、彼女の先輩が雪だるまの写真を撮ってきてくれた。
俺にイルカのボールペンをお土産に買って来てくれた時先輩が撮ったらしい。
それを貼り付けた。
彼女は写真を撮るのが基本的に嫌いで顔をイルカの縫いぐるみで顔を隠していた。
雪だるまの笑顔が見られないのがとても残念だった。
それでも俺はいつも見ていたくコンピューターの前に座るのが段々仕事をするより心が傾きボーッと見つめる事が多かった。
雪だるまの顔はイルカの縫いぐるみで隠され見えず、彼女の手と服しか見えない。でも嬉しかった。
その後会社内で話題になり、俺は雪だるまのストーカーとして有名になっていった。
この事はこの後永遠に語り告がれる。
トホホ。
彼女は自分の写真が張り付いた画面を見て、大きな目を細め『はぁー』とため息をついていた。
多分、呆れていたのだろう。
雪だるまごめんね。
やはり現時点で雪だるまの写真が俺には1枚も無い。
彼女は写真が嫌いだから?
それとも最初から離れ離れになることが見えていたから撮らなかったのか?
また謎ばかり増えていく・・・
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