時を越える愛歌
僕は起きていた。



眠れなかったのもあるけど、第一に柚葉ちゃんが心配やった。







隣で寝息をたてて眠る柚葉ちゃんは幽霊とは思えない。







騙されてんのかな?



そんな事を思った事もあったけど、柚葉ちゃんに限ってそんな事しないと信じていた。





あの後、柚葉ちゃんは「あたしに気付いてくれたのは章大さんだけやった」って言ってたけど。





どうして僕は柚葉ちゃんが見えたんやろう…






生きてる人間やない以上に、どうも不思議で仕方なかった。









いろいろ考えているうちに窓の外から薄明るい光が差してくる。



頭が混乱してても朝はやってくる。





< 9 / 112 >

この作品をシェア

pagetop